蝉が仰向けになるのを合図に
夏は去ってゆく
それが何かは分からない
何かを取り戻そうと
まだ まだ と 追いすがる
無いものねだりの性分
追って 追って
やっとのことで 追いついて
しっぽをつかんだと思った
その瞬間
感触は無く
幻のように手の中を通り抜け
振り返りもしないで
夏は去ってゆく
あれ おかしいな
あの瞬間 実体が無かったのは
おれの方か しっぽの方か
それとも
散々に焼き付けられた太陽光線が
もう懐かしい
お祭り
ごった返す人人人
スピーカーから鳴り響く音楽にあわせて
昨日も明日も無く
一心不乱に今を踊る
「ゆめかうつつか んなこた二の次三の次」
勝手に歌詞をつけてやる
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