ビョークというスーパー刺客を全世界に向けて発信したアイスランド。
今回はその島国の、すさまじく地味に活動をしていたセッションミュージシャン、Jacob Magnussonの名曲を。
人知れず、超こっそりと発表された1981年のLP「Jack Magnet」に収録。
CD化は2002年。
ジャケットの全裸背面フォークおじさんは、ピンクフロイドやツェッペリンで有名なヒプノシスが担当しています。
そしてこの絶対売れなそうなジャケとは裏腹に、とてつもなくAORな爽やかでウキウキでハラハラでゴキゲンなサウンドが展開されるわけですよ。
Jeff Porcaroのドラムが幕を開け、Neil Stubenhausのベースがはずむ。硬めで軽快なリズムにマイナー調のコード。
唐突に暖かいコーラスが入ると、サビで疾走感がつのる。Victor Feldmanの緊迫したヴィブラフォンを尻目に、またもや硬いリズムの2コーラス目。
ここからTom Scottのサックスが混ざってゆき、ポップスとしての高鳴りを全開に。
そしてキーボード、サックス、エレピのジャジーな3連続ソロでの緊張を、ひといきに流麗なメロをもって解放する最後のサビ。
作曲はJacob Magnussonと、PagesのSteve George。
名曲!
とりあえずメンツだけでもすごいことになってますね。
この曲だけでもJeff Porcaro、Neil Stubenhaus、Tom Scott、Victor Feldman、Carlos Rios、Steve Forman、そしてコーラスがBill Champlin、作曲にSteve Georgeと。
バカじゃねぇの!?
他にもJerry HeyやVinnie Colaiuta、Abraham Laborielなどなど。
作曲にはRichard PageやJay Graydonが参加。
アルバムのラストの方に収められたインストナンバーにはStanley Clarke、Freddie Hubbard、Larry Williamsなんかがちゃっかりいやがってます。
とりあえず超一流ミュージシャンのたまり場みたいなアルバムですね。
もう本人いらないんじゃねぇか、っつう勢い。
アルバムでは、陽気でノリのいい「Movies」、しっとりとしたバラード「From Now On」、ついに本人が歌えねぇからゲストに歌ってもらっちゃったファンキーな「I Can't Live Without It」などが素晴らしいですね。
ややSteely Dan方向の音です。
AOR好きの人種以外にはほとんど知られてない上に、CD化されて時間も経っているので少しお高くなってますが、見つけたらぜひ聴いてみてほしい作品です。
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