Earth & Fireというバンドをご存知でしょうか?
Earth, Wind & Fireではなく、オランダのポップ/プログレバンドです。
デビューはこちらの方が早く、1970年。
そのヴォーカリストとして在籍していたのがJerney Kaagmanです。
彼女の2枚目のソロアルバム、「Run」('87)からの一曲。
アルバムの邦題は「愛に逃れて」。
ええ、最低ですね。
この曲は「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」となっているものの、他の曲の邦題は「そんなこと言わないで」「その話はもうやめて」「信じなさい」など、もうさすがの80'sセンスで好き放題。
お前がもうやめて。
「Dance To The Music」、ドラムとベースは完全に打ち込みのダンスポップチューン。
オランダ人はメロを作るのが本当にうまいと思います。背も高いし、あの人たち。
自然に体が動いてしまうビートをきらびやかに彩っているのはやはりキーボード。
ギターの音なんて聞こえないので、ギターキッズは聴かないでおきましょう。
そしてこのアルバム、プログレのメンツ(Kayak、Camel、Earth & Fireなど)がバックを務めているんです。
絶妙なコード感に様々な音を乗っけていて、それでもなお歌が映えるというアレンジのうまさはプログレの懐の深さを感じさせますね。
邦題の最低さはさておき、アルバムの内容はとても良いものです。
シングルにもなった「Running Away From Love」を始め、AORの雰囲気を感じさせる「Love At An End」や「You've Got To Believe」、ラテン風味のバラード「Tell Me」。
華やかなヒットとは無縁の地味な作品ですが、一つの隠れた名盤です。
ちなみに、先程から「プログレ」などと書いているので敬遠される方もいるとは思いますが、このアルバムは完全に「80'sポップス」ですよ!
80'sの音が嫌いなプログレファンの方が聴いたら反吐が出ると思います。
それにしてもJerney Kaagmanの歌声って、Karla Bonoffにそっくりなんですよ。
好きな方がいたら聴き比べてみてください。
LPもCDもバカみたいな値段がついてしまっているのでなかなか手に入らないとは思いますが、安く見つけたらぜひ手に取ってみてください。
あ、ただし、バカみたいな値段で買うほどのものではないです。
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