何億もの瞳のように踊るきみへ
今夜は風がそよとも吹かない、静かな凍てつく夜だ。
鳥の声も虫の声もしない。
夜空ではいくつもの星がくっついたり離れたり、消えたり煌めいたりと
まるで広場で遊ぶ子どもたちのようにはしゃぎ回っていて、
それを毛布に包まりながら眺める、眠れない夜だ。
眠れない夜に考えることは、大抵よくないことだときく。
たいした問題ではないことを大事件のように考えたり、
ほんのささいなことを最悪な思い出として振り返り、後悔したり
この世界で自分ほど孤独で愛されない嫌な人間はいないと絶望したりする。
一人で眠れない夜、きみもそう思ったことがあるだろう。
地球に住んでいる人間は皆そうさ。
いや、地球だけじゃなくどの星でもきっとそうだろうね。
あの星も、あの星も、あの星も。
でもこの時間は無くてはならないものだ。
自分の弱さを知り、自分の世界を守る為に。
夜が明けて朝がきた時に、周りのものに感謝できるように。
愛し愛されることの大切さを知る為に。
この時間のこの気持ちは、何にも変えることができないよ。
さて、そろそろ目を瞑ることにしよう。
あの曲のおまじないをつぶやいて、夜にさようならだ。
明日はきのこを摘みながら歩こうかな。
じゃあね、きみがいつもきみでありますように。
ペーパーカップの中の言葉より
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