「Cherry」- Lou Donaldson

週末の今日明日が今年の花見のピークらしい、
でもおとといまでは暖かかったのに昨日から急に肌寒い、
しかも昨日は雪が降った、もう4月だというのに。

20歳の頃、JAZZという音楽に強く魅かれ、憧れていた、
そしてなんとかマスターしたいと模倣してみた、
未だ持ってまったく解らないままだけど。


その頃に知り合った森田さんというアルトサックス吹きがいて、
飄々とした、不思議な雰囲気の人だった、
やっぱり彼もJAZZが好きで、とりわけ彼はJAZZ FUNK、
中でもLou Donaldsonがとても好きで、
その彼の影響で僕もLou Donaldsonを知り、
どっぷりとハマる事になる。


彼とは歳が一緒だった事もあり、
すぐに仲良くなって、一緒にJAZZバンドを組む事になった。
そして、もちろん、JAZZ FUNKの曲、
Lou Donaldsonの曲ばかりを演奏するようになる。


同じJAZZとは言え、JAZZ FUNKの曲は3コードだったり、
F一発だったり、シンプルな分、うまい人には返って難しいが、
初心者には解りやすい曲でROCKしか知らない僕らには
言ってしまえば取っ付きやすかったのだ。


このCherryという曲が入っているアルバム、
Good Gracious!でLouが背負っているバックはジョン・パットン トリオ
Big John Patton - organ
Grant Green - guitar
Ben Dixon - drums
で、JAZZ FUNKやBLUE NOTEのコンピでおなじみの
強烈メンバーがしっかりと支えています。


このLou Donaldsonのサウンドが黒汁たっぷり、
とにかくかっこ良くて真似したくてしょーがなかった。


一年くらいバンドは続いて、LIVEもちょこちょこやったりはしたけど、
そのうちだんだん尻すぼみに回数が減って、
解散の合図もないままにバンドはいつの間にか自然消滅。
彼とは住んでいる場所も離れてしまい、
ほとんど会わなくなって行った。


ただ、どちらともなく年に2〜3回電話はしていたが、
その電話すらもしばらくなくなってしまって、
ある日、気になって久々に彼に連絡を取ってみた、
東京に居るならまた一緒にバンドを組めないかと思ったからでもある。
が、電話をしてもメールをしても音沙汰がない。
心配になってそんなに仲良くはなかった共通の友人に連絡を取った、
そこで初めて森田君がもうこの世にいない事を知る。


花見の席で酒に酔った彼は桜の木に登るが枝から落ちて頭を打った、
即死は免れたが懸命の治療の甲斐なく、意識が戻らぬまま、
ほどなくして逝ってしまった。


彼は所謂ザルで、相当の酒飲み、酒を飲むと饒舌になる人だった。
その当時、僕は全く酒が飲めなかったので彼とグラスを交わす事はなかった。
今なら一緒に朝まで飲む事も出来たのに...。


彼らしい死に方と言えばそうかもしれない。
酒に酔い水面に映る月を取ろうとして
溺れて死んだ李白の死に似てなくもない。

Good Gracious
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このページは、Hayaが2012年4月 7日 21:45に書いたブログ記事です。

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