「Put It There 」- Paul Mccartney

前回の更新をすっとばしてしまいました、
まったく影響はないのが寂しいですが…。
そして子供が生まれました、元気な男の子です。

とても喜ばしいことなのですが、
でもハッキリ言って、人生で五本の指に入る、
とても辛い出来事でもありました。

産気づいて、お呼びがかかってから生まれるまで
三日徹夜の想像以上の長期戦。

仕事を終えて家に帰ったのが朝の5時、
ソファーに座って一息ついていると妻からのLINE、
産気づいたらしく「病院に行きます」と、
すぐに東京から秋田の妻の待つ病院へ直接向かう、
この時点で一つ目の徹夜、
妻の待つ病室に着いたのがお昼の1時。
しかし、どうやら小康状態のようで
10分から15分間隔で陣痛は来ているのだけど、
子宮口が開いていなくてまだお産には至らないらしい…、
2時間おきくらいに検査をするのだけれどもまったく変化なし、
夕方5時になって今日はなさそうとの話、
結局一度妻の実家に戻ることになる、
ちょっとは寝れるかも…、なんて甘かった。

夜通しで10分おきにやってくる陣痛に苦しむ妻、
その横で腰を押してやる僕(その位しかしてあげれることがない。)
その時、男は何にも出来ない。
ただ見ているだけ、それが一番辛い。
そんな調子で朝を迎える、徹夜二つ目。
朝の8時には病院に行くと妻、ご飯も食べずに車に乗り込む。
9時にまた同じ病室に入る。
昨日と同じ数時間おきに子宮口がどのくらい開いているかの検査、
まったく開かない…。

午後の3時に検査をするとようやく4cmくらいですねと看護師、
でも10cmくらい開かないとダメらしい…、
ひたすら陣痛に苦しみながら待つ妻、
ひたすら陣痛に苦しむ妻を見ながら待つ僕。
その時、男は何にも出来ない。
ただ見ているだけ、それが一番辛い。

日もすっかり落ちて夜になった、9時、
ようやく8cm、おまけして9cmくらいかな?
そろそろお産の準備に入りましょうと看護師、
もうすでに本人も付き添ってるこっちもぐったり、
10時に分娩室に入る、でも子宮口は開ききってない、
分娩室に僕らを残して看護師はどこかに消える、
子宮口が開いて、赤ちゃんが下がってくるのをひたすら待つだけ、
深夜12時、てっぺんを超えたところでようやく子宮口が完全に開く、
でも赤ちゃんが全然下がってこない、
もう少し降りてこないとダメとのこと、
この頃には陣痛の間隔がもう5分置きくらいになっていた、
とっくに体力は消耗しきっている妻、そして寝不足、
5分間陣痛が来ると、また5分間陣痛がおさまる、
たったその五分ですら寝落ちする妻、
どれほどに疲れて眠いことなのか?!
お願いだ、早く生まれてくれ、
頼む、早く終わってくれ、
それだけが頭の中で何度も繰り返される。

子宮口が完全に開いてから待つこと6時間、
ようやく「そろそろです」と看護師さん、
ここでようやく先生が登場する、
いよいよ取り上げに入る!
シーツが血に染まって何度も取り替えられる、
叫びともうめきとも言えない声を上げ続ける妻、
頼む!早く出てきてくれと強く心の中で叫ぶ、
そして先生が来て約1時間、病室に赤ちゃんの泣き声が響いた!
3徹目の朝のこと。

自然と涙が強烈に溢れ出す、
こんなに涙を流すのは一体いつ以来だろうか?
ただ、子供には申し訳ないが、
生まれてくれて嬉しいというような
嬉し泣きでは決してなく、
ようやく終わった、ようやく解放されたという気持ちの涙だった、
お産が辛いということはもちろんわかっていたが、
実際にそれを生で体験すると今まで考えていた、
お産は辛いっていうのは次元がまったく違っていた、
何より妻が苦しむ姿を何もできずにただ側で見ているしかないのは
いかほどに辛いことか!
早く楽にしてあげたい、これ以上苦しませたくない、
とてもとてもかわいそうで正直、これ以上もう見ていられなかった。

よく物事をなし終えた時に、産みの苦しみを味わったとか、
今回は難産だったなんて比喩を使うが、
本物の難産、そして産みの苦しみを目の前で見た今は
そんな言葉は到底言えなくなった、
あの苦しみなんてそうそうあるもんじゃない。

お産、立ち会って良かった、
あの苦しみを知っているのと知らないのでは
子供と、そして何より妻との向き合い方が絶対変わるからだ、
そして、女の人が違って見えるようになった、みんなすごく見える、
道を歩いている時に子供を連れて歩いているお母さんを見ると、
お産のことを思い出す、あの人もあの苦しみを越えて、
いま子供と歩いているんだなって思うようになった。

そしていままでは母親に対して産んでくれてありがとうなんて
思ったことは一度もなかった、だけど今では思う、
お母さん、本当にありがとうって…、
自分もあの苦しみを経て生まれてきたのかと…。

翌日、お互い初めての孫が出来た、
そしておじいちゃん、おばあちゃん一年生の自分の両親、
そして妻の両親が病室に孫に会いにやって来た、
喜ぶお互いの両親たちの嬉しそうな顔を見て
子供が生まれた喜びをようやく感じたのでした、
そして新しい命が誕生すること程、めでたい事はないとしみじみ思った次第です。

そしてこっちも父親一年生、若干ビビり気味ではありますが
元気に泣いてるキミに負けないように頑張ってやろうと思ってます、
って書いたところで夜明けです、
言い出しっぺのこのブログ、もうすっ飛ばしません!

曲はさんざん悩んだけど、来日公演でJ-WAVEもすっかりポール一色、
さっきからずっとポール祭り状態、
という訳で一番好きなこの曲を紹介、
それではお休みなさい、また来月!

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このページは、Hayaが2015年5月 1日 04:20に書いたブログ記事です。

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