「Summertime」- BIG BROTHER & THE HOLDING COMPANY

あれは確かに暑い夏の日でした。


でも、覚えているのはそれだけと言っても過言ではありません。
おぼろげながらうっすら浮かんでくるのは


どこにでもありそうな片田舎の田園風景。
今こそ盛りとばかりに叫び続ける蝉の声。
思わず目を細めてしまうくらい熱く眩しい太陽光線。


何か事件が起こったとか
祭りがあったとか
何か特別な事があったわけではないように思います。
どこにでもありそうな風景の中での
何ということもない日でした。
何か悲しい日だったと言われればそんな気もしてくるし
楽しげな日だったと言われればそんな気もするのです。


しゃがみ込んで顔を地面すれすれに近づけて
視線を水平に、地平線の彼方を見てみると
ゆらゆらゆらゆら蜃気楼が
顔を上げるとそれはどこかへ消えてしまっていて
再び地面すれすれに近づけて見てみると
やっぱり、確かにゆらゆらゆらゆら。


あれは、一体何だったのでしょうか。
そんな日が、本当にあったのでしょうか。


どこにでもありそうで、どこでもないような風景。
確かに覚えている、記憶の中にだけ存在するような日。


今日も、何の変哲もない、暑い日です。
でも、いつだかのあの日とは、何かが違います。
夏はまだです。
それはきっと、過ぎた後に、来るのでしょう。

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このページは、くるっくるが2012年8月 4日 23:29に書いたブログ記事です。

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